「そろそろウチもDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めなければ…」
「しかし、一体誰に任せたらいいんだ?そもそも社内にITに詳しい人材がいない…」
多くの経営者様が、このような悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、DXの担当者選びや社内体制づくりに悩む中小企業の経営者・管理職の皆様に向けて、以下の点をお伝えします。
- なぜ多くの中小企業がDXの体制構築でつまずくのか
- DX推進の真のキーマンと、その理由
- 社内にいる「隠れた逸材」を見つけ出す3つの適性
- 明日から始められる、失敗しないDX体制づくりの4ステップ
机上の空論ではなく、現場で見てきた成功と失敗のリアルな経験を踏まえ、具体的かつ実践的なポイントに絞って解説します。この記事を読み終える頃には、あなたの会社に最適なDX推進体制の姿が、明確に見えているはずです。
なぜ多くの中小企業がDXの体制構築でつまずくのか?よくある3つの失敗パターン
DXの重要性は理解していても、いざ進めようとすると多くの企業が壁にぶつかります。特に体制構築の段階でつまずくケースが後を絶ちません。まずは、典型的な失敗パターンを3つご紹介します。
パターン1:「IT担当者」への丸投げ型
最も多いのがこのパターンです。 「DX?よくわからないけど、とりあえず一番PCに詳しそうな若手に任せておこう」 このように、DXを単なる「ITツール導入」と捉え、情報システム担当者や特定の個人に丸投げしてしまうケースです。
しかし、DXは単なるツール導入ではありません。ビジネスモデルや業務プロセスそのものを変革し、新たな価値を創造する経営戦略です。現場の業務や経営課題への深い理解がないままでは、高価なツールを導入しても「誰も使わない」「かえって業務が複雑になった」という結果を招きかねません。
パターン2:「兼任担当者」の疲弊・形骸化型
「DX担当者を任命したものの、通常業務との兼任で手が回っていない」 これも非常によくある話です。「DX担当」という肩書だけを与えられ、具体的な権限や時間が与えられないため、結局は目の前の業務に追われてDX推進は後回し。「DX担当者 いない」のと同じ状態になり、プロジェクトは自然消滅してしまいます。
パターン3:「経営層」の無関心・他人事型
「現場にはっぱをかけているが、経営陣は口を出すだけで汗をかかない」 経営層がDXの重要性を自らの言葉で語らず、ビジョンも示さない。予算や人員の確保にも協力的でない。これでは、担当者は社内の抵抗勢力に押しつぶされ、孤立無援の状態に陥ります。DXは全社的な取り組みであり、経営層の強力なリーダーシップなくして成功はあり得ません。
これらの失敗に共通するのは、「DXを誰が、どのように主導していくか」という体制の軸が定まっていない点です。では、その軸となるべきキーマンは一体誰なのでしょうか。
DX推進の本当のキーマンは「社長」、あなた自身です
結論から申し上げます。中小企業におけるDX推進のキーマンは、間違いなく「社長」あなた自身です。
「え?専門家やIT担当者ではないのか?」と思われるかもしれません。もちろん、実務を進める担当者は必要です。しかし、プロジェクトの成否を分ける最も重要な役割は、社長にしか担えません。
多くの中小企業のDX支援を行う中で痛感したのは、トップのコミットメントの強さが、プロジェクトの推進力に正比例するという事実です。
社長がキーマンである理由は3つあります。
- DXの目的(ビジョン)を唯一決められる存在だから
DXは「何のためにやるのか」という目的が最も重要です。コスト削減なのか、新たな顧客体験の創出なのか、従業員の働き方改革なのか。会社の未来を描き、DXによってどこへ向かうのかという旗を振れるのは、社長しかいません。 - 全社を巻き込むための「大義名分」となれるから
DXは必ず部門間の壁にぶつかります。「ウチのやり方は変えられない」「新しいことは面倒だ」という抵抗はつきものです。その際に、「これは会社全体の未来のための社長マターである」という強力なメッセージがなければ、各部門の利害を調整し、協力を取り付けることは不可能です。 - 最終的な投資判断(ヒト・モノ・カネ)ができるから
DXには当然、投資が伴います。ツールの導入費用だけでなく、推進担当者の人件費や教育コストも必要です。これらの経営資源を、未来への投資として大胆に配分する最終決断は、社長にしかできません。
「DX担当は社長」という意識を持つこと。これが、DX体制構築の成功に向けた全ての始まりです。
社内にいる!DX推進担当者を見つけ出す3つの適性
社長が旗を振る覚悟を決めたら、次に考えるべきは実務を担う「推進担当者」です。 「うちにはIT人材なんていない…」と諦める必要はありません。高度なプログラミングスキルを持つ”スーパーマン”は不要です。むしろ、中小企業のDX担当者には、スキルよりも重要な「適性」があります。
本当に活躍する担当者の共通点は以下の3つです。
適性1:現場の業務を深く理解し、「もっとこうなれば良いのに」という課題意識を持っている
最も重要な適性です。自社の業務フローや慣習、そして「何が課題で、どこにボトルネックがあるのか」を肌感覚で理解している人物は、DXの宝です。彼ら・彼女らの口から出る「この手作業、なんとかならないか」「ここの情報共有がいつも遅れる」といった”不満”こそが、DXで解決すべき具体的なテーマになります。
適性2:デジタルツールへの抵抗がなく、新しいことを学ぶ意欲がある
必ずしもITの専門家である必要はありません。大切なのは、新しいツールやサービスに対して「面白そう」「試してみよう」と思える好奇心と、分からないことを自分で調べたり、人に聞いたりすることを厭わない学習意欲です。プライベートで新しいスマホアプリを使いこなしているような人物は、有望かもしれません。
適性3:部署の垣根を越えて、周囲を巻き込みコミュニケーションが円滑に取れる
DXは一人ではできません。他部署のキーマンに協力を仰いだり、現場の従業員に新しいツールの使い方を丁寧に説明したりと、コミュニケーション能力が不可欠です。日頃から周囲に信頼され、相談しやすい雰囲気を持っている人物は、推進役として最適です。
こうした人物は、営業、経理、製造現場など、意外な部署に隠れているものです。「ITスキル」という色眼鏡を外し、「課題発見力」「学習意欲」「コミュニケーション能力」という3つの軸で、ぜひ社内を見渡してみてください。
失敗しないDX社内体制づくりの具体的な4ステップ
キーマンである社長の覚悟が決まり、推進担当者の候補が見つかったら、いよいよ具体的な体制づくりに入ります。いきなり大きな組織を作る必要はありません。以下の4ステップで、小さく、しかし着実に前進していきましょう。
ステップ1:スモールスタートでDXの目的とゴールを明確にする
まずは、会社全体ではなく、特定の業務や部門に絞って「お試しプロジェクト」を始めるのが成功の秘訣です。
例えば、「請求書発行プロセスの自動化」「日報のペーパーレス化」など、成果が見えやすく、関係者も少ないテーマを選びます。そして、**「誰の、どんな課題を解決し、半年後までにどうなっていたいか」**という具体的な目的とゴールを、社長と推進担当者で徹底的にすり合わせましょう。この初期段階での目的設定が、後の活動の拠り所となります。
ステップ2:推進担当者に「権限」と「時間」を本気で与える
任命した担当者を「名ばかり」にしないために、最も重要なステップです。
- 時間を与える: 「通常業務の20%はDX推進業務に充てる」など、具体的な時間を確保し、上長や同僚にも周知徹底します。DXは片手間でできる業務ではありません。
- 権限を与える: 関連部署へのヒアリングや、一定金額までのツール導入に関する決裁権など、プロジェクト推進に必要な権限を明確に委譲します。社長が「彼の言うことは、私の言うことと同じだと思って協力してほしい」と全社に発信することも極めて有効です。
ステップ3:部門横断のチームを組成し、現場を巻き込む
推進担当者一人に孤独な戦いをさせてはいけません。ステップ1で定めたテーマに関係する部署から、協力的なメンバーを数名選出し、2〜5名程度の小さなチームを組成しましょう。
このチームが核となり、現場の意見を吸い上げ、新しいルールを一緒に作り上げていくことで、全社的な協力体制の土台ができます。
ステップ4:外部の専門家を「伴走者」として賢く活用する
社内のリソースだけでは、技術選定やプロジェクトの進め方に限界が来ることもあります。そんな時は、遠慮なく外部の専門家を活用しましょう。
ここで重要なのは、開発や導入を「丸投げ」するのではなく、あくまで自社のチームと並走し、知見やノウハウを提供してくれる「伴走者」としてパートナーを選ぶことです。外部の客観的な視点や専門知識は、プロジェクトの停滞を防ぎ、成功確率を大きく高めてくれます。
[参考] 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」なども、体制構築のヒントになりますので、ぜひご覧ください。
ManPlusの視点:AIを活用して「面倒な作業」から解放されるDX
ここまでDXの体制構築についてお話してきましたが、少しだけ弊社の専門分野であるAIの活用について触れさせてください。
「AI」と聞くと、何か壮大で難しいものに感じるかもしれません。しかし、現代のAI技術はもっと身近なところで、皆様の会社のDXを力強く後押しできます。
例えば、多くの企業で時間を奪われている「請求書や領収書のデータ入力」「紙の書類の整理とファイリング」「顧客からの定型的な問い合わせ対応」といった業務。これらは、AI-OCR(光学的文字認識)やチャットボットといったAI技術を使えば、驚くほど効率化・自動化が可能です。
有限会社ManPlusでは、まさにこうした「AIによる片付けやデータ管理」を得意としています。「どこにAIを適用すれば、最も効果的に現場の負担を減らせるか」を的確に見極め、最適なAIアプリ開発や導入コンサルティングをご提供できます。
いきなり大規模なシステムを開発する必要はありません。まずは「この面倒な作業をAIで自動化できないか?」という小さな気づきから、DXの一歩を踏み出すことができるのです。
まとめ:DXは「人」と「仕組み」づくりから始まる
今回は、中小企業におけるDXの社内体制づくりについて、私の経験を交えながら解説しました。最後に、本日の重要なポイントを振り返ります。
- DXの真のキーマンは「社長」。トップの強力なコミットメントが全ての土台となる。
- 推進担当者に必要なのはITスキルより3つの適性。「課題発見力」「学習意欲」「コミュニケーション能力」で人選する。
- 体制づくりは4ステップで。「スモールスタート」「権限移譲」「チーム化」「外部活用」を着実に進める。
- DXは経営戦略そのもの。単なるツール導入ではなく、全社を巻き込んだ変革と捉える。
DX推進は、決して平坦な道のりではありません。しかし、正しい体制を構築し、着実な一歩を踏み出せば、必ずやあなたの会社に大きな競争力と成長をもたらします。それは、単なる業務効率化に留まらず、従業員の創造性を高め、働きがいのある企業文化を育むことにも繋がるはずです。
この記事が、あなたの会社のDX推進における、羅針盤となれば幸いです。
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このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、私たち有限会社ManPlusにご相談ください。大手コンサルティングファームで培った業務分析力と、AIアプリ開発の技術力を掛け合わせ、貴社に最適なDX推進の「伴走者」として、企画から実行までをトータルでサポートいたします。
まずは、貴社の課題をお聞かせいただくことから始めさせてください。
